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東京タワー/オカンとボクと、時々、オトン

映画&TVドラマ版 見比べグランプリ

満を持して映画化された『東京タワー』だが、2006年11月放送のスペシャルドラマ(以下、SPドラマ)、2007年1月から3月まで“月9”で放送された連続ドラマ(以下、連ドラ)が存在するのはご存知の通り。今回は、映画と2種類のドラマを比較し、<ボク><オカン><オトン><彼女><ヒゲめがね><東京タワー>の6部門で、グランプリを勝手に選出! それぞれに異なる魅力をもった3種類の『東京タワー』の世界を、この機会に楽しんでみてはいかが?

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ベスト<ボク>賞

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劇場版のボク、オダギリジョー
★オダギリジョー(映画)
 速水もこみち(連ドラ)
 大泉洋(SPドラマ)

映画版のボクを演じたオダギリジョーは、クールな印象の男優なので、母親思いの息子という設定が、一見、不似合いに思えたが、映画ではダメ息子の部分と母への愛情をうまく演じ分けている。マルチな才能を持つ(とっぽい)イラストレーターという設定にも説得力あり。顔も原作者にちょっと似ている。連続ドラマの速水もこみちは、けっして器用な俳優ではないが、回を重ねるたびに、リアルな説得力があって、まっすぐな性格の愛すべき“マーくん”を作り上げた。彼が大粒の涙を流すと、こちらの胸も痛む。SPドラマの大泉洋は、この3人の中では1番年上のため、青春ドラマの要素が不足気味で、ドラマもややウェットな印象になってしまったが、さすが演技力も個性もある男優、主人公の悲しみが上手く伝わった。

ベスト<オカン>賞

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SPドラマ版でオカンを演じた田中裕子
 樹木希林(映画)
★倍賞美津子(連ドラ)
 田中裕子(SPドラマ)

太陽のように明るくて、大地の強さを感じさせたのが、連続ドラマの倍賞美津子。悲しい時も、それを人に見せず、ひたむきに歩き続ける。そんな見事なオカン像を作り上げ、九州弁も違和感なかった。これぞ、ポジティブな九州のオカン! 映画版の樹木希林は九州女の泥くささはやや不足気味だが、演技力はさすがだし、息子役オダギリとのコンビネーションもいい。彼女の娘、内田也哉子が、若き日のオカンを好演し、実の母娘がひとりのオカンを演じる設定もおもしろい。SPドラマの田中裕子は、童顔のせいか、晩年のオカンを演じるには少々若すぎる印象だったが、しっとりした情緒があり、静かな説得力はさすが演技派。

ベスト<オトン>賞

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劇場版のオトン、小林薫
★小林薫(映画)
 泉谷しげる(連ドラ)
 蟹江敬三(SPドラマ)

 オトンは出番がそんなにないので、少ない出番をどう印象づけるのかがポイント。映画版の小林薫はさりげなくうまさを発揮。やさぐれた昭和のオトンは、家庭に寄りつかないが、そんな漂う感じがうまく出ていた。連ドラの泉谷しげるは、最初、顔がコワいなー、と思ったが、回を重ねるたびに不思議な味わいがあった。息子にポツリとつぶやくセリフに名言が多く、男の生き方をさりげなく伝えてくれる。SPドラマの蟹江敬三は、もう少し軽妙な感じがあってもいいかもしれないが、濃すぎる演技も実力派ならではか。

ベスト<彼女>賞

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SPドラマ版の広末涼子だけが
現代的なキャラクターだった
 松たか子(映画)
★香椎由宇(連ドラ)
 広末涼子(SPドラマ)

 ボクの恋人役は、連続ドラマの香椎由宇が1番のハマリ役。オカンが自分の本当の娘のように彼女を愛するという設定にもナットク。主人公と彼女の不器用な恋も、どこか切ない。映画版の彼女、松たか子は、やや情緒が不足気味だが、3人のなかでは一番大人の落ち着きがあるし、きれいで華もある。SPドラマの広末涼子は、けっこう現代的なキャラクター。ちょっとマザコン気味のボクをややあきれた眼差しで見ていたのは、この“彼女”だけかもしれない。

ベスト<ヒゲめがね>賞

 映画
 連ドラ
★SPドラマ

 オカンが自分の分身みたいに好きだったヒゲめがねのお面。苦しい時も、悲しい時も、これをつけて踊れば、この世は天国。SPドラマのオカン役の田中裕子、妙にこのお面が似合っていた。最後はオカンと彼女を結びつける大事な小道具にもなっている。映画ではドラマの重要なアクセントとして、さりげないユーモアをふりまく。連ドラのオカンもかぶっていたが、ふだんから明るいオカンゆえ、小道具ナシでも、みんなが笑っていた。

ベスト<東京タワー>賞

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もうひとりの主役
“東京タワー”
(SPドラマ版より)
 映画
★連ドラ
 SPドラマ

 映画のタイトルにもなっている東京タワー。地方出身者の東京に対する憧れと羨望のシンボルとして登場し、物語のもうひとりの主役になっている。映画版はその夜景の映像が美しく、ボクとオカンがいる病室から見えるタワーが、ほんとにキラキラ輝いて見えた。連ドラでは、ボクと彼女の愛の描写にタワーがうまく使われ、ロマンティックでありながらも、ホロ苦い印象。最終回での使い方も効果的。SPドラマは彼女が東京タワーの案内嬢で、そんな彼女にボクが憧れていた、という設定で、最後に少しひねったオチが用意される。

(選と評:大森さわこ)

スペシャルドラマ版「東京タワー/オカンとボクと、時々、オトン」4月20日(金)DVD発売!

box発売元:フジテレビ映像企画部
販売元:アミューズソフトエンタテインメント株式会社
税込価格:3,990円

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