95年にテレビ放送され、瞬く間に一大ブームを巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』が、10年ぶりの劇場アニメとして復活! 新劇場版4部作の第1作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の制作真っ只中のいま、庵野総監督の盟友である大月俊倫プロデューサーに話を聞いた。
4年程前から総監督の庵野(秀明)さんと特撮のテレビシリーズの企画を進めていたんですが、2年進めた時点で頓挫しちゃったんです。総監督のモチベーションがかなり上がっていたのでもったいないと考えていたら、ある日「『エヴァ』のテレビシリーズをもう一度、劇場版として4部作で作ってみたい」と話をいただいたんです。
それは(どうなるか)分からないですね。ただ庵野さんとの仕事は、とにかくおもしろいんですよ。無茶や紆余曲折あることは大前提。でも、ヒリヒリした緊張感は彼とじゃないと得られない。人柄の部分が大きいのは確かですよね。スタッフ、キャストみんながそうなんですが、“エヴァンゲリオン”というタイトルをやりたくて集まっているわけじゃないんです。“庵野秀明の新作”に付き合ってるんです。たまたまそれが“エヴァ”というだけです。
庵野総監督が一度決着を付けた作品がどういったものになるのか……楽しみでもあり不安でもありますはっきり言っておきますが、まったく違うものになってます。物語は前作をなぞっていますが、登場人物の時系列・配置はかなり違いますし、まったくの別物と言っていいと思います。創っている姿勢、根拠、心構え……全部違うでしょうね。御家庭を持たれたことも含めた12年間の庵野秀明の精神の変遷や成長の歴史、それが克明にフィルムに出ています。製作がほぼ決定してから、庵野さんと監督の鶴巻(和哉)さん、総監督助手の轟木(一騎)さんと4人で打ち合わせをしたんですが、その際に庵野さんが「いやあ大月ちゃん、改めて全話観たら……『エヴァンゲリオン』っておもしろいねえ」って(笑)。「この12年の間に、エヴァよりおもしろいアニメってほかになかったかもしれないね」って話すんですよ。庵野さんはああいう人だから、自身の作品の評価をほとんどしないんです。それが、『エヴァンゲリオン』を自分の口でおもしろいって……初めて聞きましたよ。
それは、きっとそうでしょう。現場で見ていて本当にキラキラ輝いてますよ。ピリピリはしてるけど後ろ向きではない。それが作品に反映されています。ハッピーなフィルムになっています。前回の映画は“どよよーん”とした雰囲気で終わりましたけど(苦笑)、今回は観終わったらすごく爽やかな気分になれます。映画の後半で描かれる「ヤシマ作戦」(エヴァによる使徒殲滅作戦)も、テレビ版より格段にパワーアップした画面になっていて興奮しますよ。当時から素晴らしい構想があったのに、スケジュールの都合で実現できなかった心残りがスタッフにあったんです。今回リベンジじゃないですけど、“こうやりたかったんだ!”という念願を、最先端の技術で思う存分果たせたことは大きいです。必ずご満足いただけると思います。。
「破」までは進行してますから、ある程度は決まっていますが、それ以降は庵野総監督の頭の中ですから、まったく分からないです。
「混沌」が最も『エヴァンゲリオン』らしいシチュエーションだって、よく言ってらっしゃいますからね(笑)。キチッとしたスケジュールで仕事をなさる方とそうでない方といて、いいと思います。仕事の仕方好きですよ、好きじゃなかったらやっていません。スタジオの方たちも皆さんそうだと思います。総監督を信用してついて行くのみです(笑)。