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『アルゼンチンババア』鈴木京香インタビュー

鈴木京香

人気作家よしもとばななの小説を映画化した『アルゼンチンババア』。タイトルの“アルゼンチンババア”とは、主人公の女子高生みつこ(堀北真希)が暮らす田舎町の隅っこで、風変わりな建物に暮らし、かつてはスペイン語やタンゴを教えていたという女性ユリのこと。みつこの母が亡くなり、その日を境に失踪した父の悟(役所広司)がアルゼンチンババアのもとに暮らしていることを知ったみつこは、父親を連れ戻すためアルゼンチンババアの屋敷に乗り込むが……。
ボサボサの髪に厚化粧と、その美貌を封じてアルゼンチンババア(ユリ)を演じた女優・鈴木京香に話を聞いた。

強烈なキャラクターでしたが、京香さんの子供時代に、アルゼンチンババア(=ユリ)のような存在はいたのでしょうか?

伝説のホームレスみたいな存在はいました。ときどき車で通りかかると、その人が見ていたりするような。だから、そういう人の役だなあと思ってました(笑)。それくらい子供に覚えられてて、気味悪がられているような外見にしなければと思って、最初はどんどんエスカレートしそうになってしまったんです。

あの大胆な髪型のカツラなどは自分のアイデアだったのですか?

鈴木京香もちろんメイクさんの希望がありました。あとは奈良美智さんが描いた長い黒髪のイラストや、よしもとさんの原作の中の黒髪のロングヘアの中に白髪も混じっているという描写を基にイメージしていきました。ただ、服装をアルゼンチン風にして出してきても、自分の中では“まだユリじゃないなあ”という感じがして、何度もカメラテストを繰り返しました。

最初は『大草原の小さな家』に出てくるような大人しく優しいイメージで、子供が気味悪がるような雰囲気が出せなかったんです。より汚くしようと、やりすぎてしまったりして、結構時間がかかったんですけど、結局いくつかのパターンの変装をして、衣装はコレ、髪型はコレといった具合に調節して話し合って決めたんです。“やっぱり、みんなの意見って大事だなあ”って感じました。それにメイクさん、衣装さん、監督だけじゃなくて、他のキャストが見るユリのイメージがすごく気になったりしましたし。

役作りのためにアルゼンチンに行ったそうですね。

初めてのところなので、ガイドさんを紹介してもらい、日系人の多く住んでいるエリアを教えてもらいました。ユリというキャラクターは、ブエノスアイレスのような都会というよりは、蜂蜜をとったり、野菜をとったりしているイメージで、田舎に行った方がいいかもしれないと、ドライブにも行きました。あとは、夜にお爺さんやお婆さんがダンスをしたりする社交場みたいなところにも連れて行ってもらいました。

最初は“アルゼンチンを知るために行かなきゃ”と思っていたんですけど、実際に行ってみると、思っていた以上にユリというキャラクターのイメージを作るのに役に立ちました。