『ゼロの焦点』広末涼子 インタビュー

『ゼロの焦点』広末涼子 インタビュー1/2

「待っていることが苦手なタイプなので、自分で答えを探し出します」

アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』の好演も記憶に新しい女優の広末涼子が、松本清張の同名小説を映画化した『ゼロの焦点』に主演した。新婚間もない夫が謎の失踪(しっそう)を遂げ、真実を知るために夫が消息を絶った北陸・金沢へと旅立つが、不可解な連続殺人事件に巻き込まれていく妻・鵜原禎子。ヒロインの禎子を演じた広末が、松本清張作品の魅力や豪華女優陣との共演、女優としての発見や禎子役を通じて気づいたことなど、さまざまなテーマで語ってくれた。

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犯人探しの物語ではなく、人間ドラマが描かれている

広末涼子

―― 今回の『ゼロの焦点』出演の決め手は何でしたか?

広末涼子(以下、広末):今までサスペンスやミステリーなどの作品にかかわることがあまりなかったので、表現の仕方や精神力をどのようにコントロールしていくのかが見えていなかったんです。でも、テレビドラマ「愛と死をみつめて」という作品で一度ご一緒させていただいた犬童一心監督からお話をいただいたこと、先に出演が決まっていた中谷さんと、しっかりと対峙(たいじ)するお芝居ができることを考え、出演を決意しました。

── 『ゼロの焦点』のストーリーについては、どこに惹(ひ)かれましたか?

広末:現代と昭和30年代では、社会的な地位など女性の立場がまるで違いますし、結婚についてもまったく考え方が違うと思いますが、女性としての気持ちがよく伝わってくることに魅力を感じました。いわゆるサスペンスの緊張感と緊迫感の中での犯人探しだけの物語ではなく、人間ドラマがすごく描かれていて、しかもそれが女性目線のものだったので、わたしはそこに魅力を感じました。

禎子は当時にしてはかなり大胆な女性だと思いました

広末涼子

── 演じられた禎子ですが、どのような女性だと思いますか?

広末:感情を抑えていて、家柄も育ちも良くて、表面的には温和で静かなタイプに見えますが、あれほど追いつめられて、いろいろな事実を突き付けられても、逃げずに真実に向かっていく。そんな彼女は、実は自分の夢に対する執着心がとても強く、プライドも高い女性なのではと思いながら演じていました。

── 夫を探して単身金沢に赴く禎子は、当時としては行動力がありますよね。

広末:冒頭で西島秀俊さん演じるだんなさんを送り出すシーン一つとっても、窓越しですが手を重ね合わせるなんて、当時にしてはかなり大胆だと思います。また、中谷さん演じる佐知子は、わかりやすく女性の主張をしていますが、英語が得意なところや、いろいろな人に出会っても拒否反応を示すことなく受け入れる柔軟性など、とても先駆者的な女性だと思いました。

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