広告
『HACHI 約束の犬』 リチャード・ギア インタビュー1/2
「犬の視点を描くために、僕がカメラを持って、映像を撮影しているところもあるんだ」
渋谷駅で毎日仕事帰りの主人を迎え、亡くなってからも待ち続けるハチという名の実在した犬の物語が、『サイダーハウス・ルール』の名匠ラッセ・ハルストレム監督と、名優リチャード・ギアによって、再びスクリーンでよみがえった。今回、プライベートでも大の犬好きで、自ら製作・主演を務めたリチャードに、共演した秋田犬や撮影中のエピソードなどについて語ってもらった。
1 / 2
自分の飼い犬は、シカのふんが大好き!

―― 秋田犬と共演してみていかがでしたか?
リチャード・ギア(以下、リチャード):僕は、犬と共演することが好きなんだが、秋田犬はまったく違うタイプの動物だね。犬のトレーナーにとっては、最も調教しづらい動物だと思うんだ。なぜなら、強制するとふさぎ込んでしまって、近寄ることさえできなくなってしまう。そうすると、撮影も止まってしまうんだ。だから、大切な人と接するように秋田犬とかかわらなければいけなかったんだよ。ある意味、人よりも優しく接しなければいけないのかもしれないね。
── 本作では、犬の視点から見た映像がよく織り込まれていますね。
リチャード:その点については、ラッセとよく話し合ったんだよ。どうやったら、特別な映画が撮れるか、犬が中心の映画になるかということをね。だから、中盤からは犬の視点で映画を構成しないと、観客の誰もがこの映画のキャラクターと共感できなくなってしまう。だから、この点はかなり気を付けて、いろいろ試してみたんだよ。例えば、大きさの違ったカメラを使用するとかね。中には、僕がカメラを持って、映像を撮影しているところもあるんだ。
── プライベートでも犬を飼われていますが、何か犬との面白い体験談はありますか?
リチャード:実は、僕は田舎に土地を持っていて、その中には、野生のシカとか野生の動物がたくさんいるんだ。僕の犬は、そこにいるシカのふんが大好きで、自分の首にそのふんをなすり付けたりするんだ! それでそのシカのふんの匂いが、この世のものとは思えないくらい臭くて、その匂いを取るために犬を4回も洗わなければならないほどなんだよ(笑)! 僕の犬が、なぜそんなことをするのかいまだにわからないんだが、どこか野性的なにおいをなすり付けたことで、狩りがうまくなれるとでも思っているのかもしれないね(笑)!
まずは演じて学ぶべき!

── 本作への出演はラッセ監督から依頼されたのですか、それともあなたが監督を指名したのでしょうか?
リチャード:最初に脚本を渡されたときに、この映画は犬のための作品だと感じたから、僕は映画化したいと思ったんだ。だから自ら主演を務め、プロデュースすることにしたんだ。そして、前から気に入っていたラッセ監督のスケジュールが空いていたため、彼を指名することになったんだ。彼は、スウェーデン人で、どこか日本人と似ているところがあると思う。それと、感情的というより、内に何かを秘めているところがあるんだ。そんな彼だから、もともと日本映画だったこの作品には、適任の監督だったのかもしれないね。
── サラ・ローマー、ケヴィン・デコステ、ロバート・キャプロンなどの子役や若手の俳優が出演していますが、彼らに俳優として何かアドバイスをしましたか?
リチャード:もちろん、誰に聞かれても喜んでアドバイスするが、実際、アドバイスを聞いて学ぶより、演じることで学んでいくべきだと僕は思うんだ。なぜなら、仕事をするという過程が、俳優の意識を高めて、聞く耳を発達させ、物事を見分けることができるようになるからなんだよ。だから、本当は僕からアドバイスすることはないんだ。

