『カンフーくん』小田一生監督&チャン・チュワン インタビュー

チュワンくんは撮影前のトレーニングについて、どんな感想を持ちましたか?

■チュワン:(アクション監督の)谷垣さんたちとやったアクションの練習はとっても面白かったよ! 学校の武術の練習とは全然違ったな。僕が今習っている武術は1人でいろいろな動作をやっていくものなんだけど、アクションは他の人とやったからね。そこが違ったんだ。

■小田:もうちょっと上の年齢になると演舞をやるんですけど、彼はまだ幼いので、わりと1人で型の修練をしていたみたいで。だから最初は誰かとアクションをするのがなかなか難しかったみたいです。うまくいかなくて、それこそ涙を流すくらい悔しがってました。

なるほど。ではアクション以外の演技はいかがでしたか?

■チュワン:それもとっても面白かったよ! 何かセリフを言われて、それを返す演技を勉強したのが楽しかったな。

■小田:ピン子さんも仰っていたんですけど、チュワンは日々集中しているというか、ちょっとしたところですごく“見ている”んですよ。それでいろいろ吸収して、自分がやるときに「ここはこうすればいいの?」って訊いてくるんです。そこは普通の子役とは一味違うというか、彼自身の中にちゃんと役者としての責任感が芽生えているんだなぁと思いましたね。

その責任感はどうして芽生えたんだと思いますか?

■小田:周りがみんな日本人のスタッフばかりじゃないですか。アクション関係の人が少し中国語を話せるくらいで、そんなに言葉が通じる人間もいない。その中で彼は自分の居場所を見つけなきゃいけなかったと思うんですね。で、彼はすごく勘がいいんで、自分がここに居るための存在価値を自分で探して見出していっていったんです。そうする内に責任感が生まれたんでしょう。

チュワンくんはカメラの前に立って演技をするのに、緊張はしませんでしたか?

■チュワン:全然緊張しなかったよ!

■小田:ホントに?

■チュワン:ホントだよ!

他の俳優さんとはお話ししましたか?

■チュワン:ちょっとだけ。遊びのこととかを話したかな。この間西村雅彦さんから電話があって、「今度一緒に酒飲もうな!」って言われたよ(笑)

撮影を通して、チュワンくんはどんな成長を遂げたのでしょうか?

■小田:彼自身の本質は変わらないと思いますけど、最初に会った時、映画を1ヵ月以上かけて撮った時、日本での撮影と中国での撮影はすこし期間が開いたんですけど、その中国ロケで会った時、そして昨年10月に東京国際映画祭で彼と再会した時――どの時でも彼は全然違うんですよ。この時期の子どもってすごく成長が早いじゃないですか。日本で言えば幼稚園生から小学生になってちょっと経ったばかりの、ちょうど節目ですよね。その大切な時期の1ヵ月半を――笑ったり、時には泣いたりしているところをカメラに収められたこと、二度撮れない成長の過程を撮れたことは、すごく有意義で幸せなことだと思っているんです。それがあったから、今またチャン・チュワンの姿を見てすごく感慨深く、嬉しいものがあって。これが答えになっているかわからないですけど、その時々の違いこそが彼の成長の証であり、それは今回の映画によるものなんだろうなと思います。

チュワンくん自身は、映画の撮影を通して学んだことはありますか?

■チュワン:映画を通して学んだものはとても多いと思うんだ。たとえば今までアクションの動きはやったことがなかったんだけど、それを勉強できたのはとてもよかったな。

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