『カンフーくん』小田一生監督&チャン・チュワン インタビュー

2人がお会いするのはいつ以来ですか?

■小田:10月の国際映画祭ぶりですね。なんだかもう、国際映画祭がいつあったか覚えてないくらいですけど(笑)。チュワンは今日まで長かった?

■チュワン:あっという間に過ぎちゃったよ!

「男子三日会わざれば刮目して見よ」などという言葉もありますが、久しぶりに見るチュワンくんには、どこか変化はありますか?

■小田:だいぶ“男の子”から“少年”になってきたなぁって感じますね。撮影時には日本的な生活をしていたので、ふっくらとしてました。やっぱり中国に帰ったらトレーニングもあるし、日常がすごく厳しいから、細くなるんですよね。

最初にお会いになったのはいつ頃だったんですか?

■チュワン:一昨年、学校で会ったんだよね?

■小田:一昨年の12月ですね。(カンフーくん役の候補を)書類でしぼっていって、最後に5名くらいが残っていて。その中で僕は彼が気に入ったんです。シャープな顔立ちの子が多い中、彼が一番優しいところや幼さが残っていて、素敵だなぁ、と。なんだかジェット・リーの昔を見るような感じがしました。顔立ちのシャープな子は戦う時も「キッ」って感じになるんですけど、それよりやられても負けん気を出して顔が「クシャ」っとなるような表情のある子の方が、映画として考えた時には魅力があるんです。だから「ぜひ彼にお願いしたいなぁ」と思って、会ったんです。

チュワンくんは監督の第一印象はいかがでしたか?

■チュワン:俳優を選びに来てくれたんだけど、とってもいい印象だったよ!

チュワンくんはオーディションの時にジャッキー・チェンの歌を歌ったそうですね。

■小田:演舞を見せてくれて、「他にも何かやってもらいましょうか」と話していたら、あちらの院長先生が「歌を歌えるじゃないか」と話してくれて。で、彼が「ジャッキー・チェンの歌を歌います!」って言って歌ったんです。ちょっとだけ歌詞を間違えたんですけどね(笑)。とはいえ歌詞を間違えたことは、僕らはわからないじゃないですか。でも彼はとても恥ずかしかったみたいで、頭を掻いてみせて。演舞の時は厳しい表情だったけどそれからすごく子どもらしい表情がでて、そこがすごく魅力的だったんです。で「この子でいきましょう」って、カンフーくん役が決定したんですよ。

とても魅力的なチュワンくんですけど、武術学校に通っているとはいえ、アクション俳優としてはゼロからのスタートですよね。いろいろとクリアすべき課題や必要なトレーニングがあったと思うのですが。

■小田:コミュニケーションのとり方も含め今まで俳優としての練習はしたことがなかったし、言われた通りに演じるだけじゃ演者としての存在感はでないと思ったので、1ヵ月くらい前に来日してもらって、「こういう風に現場は進んでいくんだよ」というのを教えたり、遊んだりしながらコミュニケーションをとっていったんです。アクションに関してはアクション監督と一緒にチュワンくんの動きを一度撮影して、それを見せて、「こういう風に動くと、こういう風に見えるんだ」と、実際自分がどう見えるかという部分から興味を持たせていきました。