『奈緒子』三浦春馬 インタビュー

ほんとうによく走りましたね。
三浦春馬(以下、三浦):アハハ、はい、ありがとうございます。
セリフではなく走ることで展開してゆく物語ですね。古厩監督からは最初どんなことをリクエストされましたか?
三浦:そんなに多くのことはリクエストされませんでした。でも、無邪気で走ることがひたすら好きというのを忘れずにとも言ってないんですけど、そういう雄介でっていうことは言っていたと思います。
雄介くんは何を考えているのかよくわからない感じですが、走っている姿が彼の心そのもののように思えました。三浦さん、走るのはもともと好きでしたか?
三浦:…嫌いではないですね。
スポーツは何を?
三浦:サッカーです。
サッカーはチームプレイですよね。雄介くんの場合、駅伝を始める前は短距離の選手で、完全に個人の勝負ですが、チームでやるものと個人でやるものの違いってありますか?
三浦:僕は陸上部に入っていたわけじゃないですが、でも、映画を通して、他の部員の人たちと駅伝を走って、その撮影の中でみんなと合宿みたいな生活をしていて、2人部屋とか3人部屋でずっといて、練習のときもみんな一緒で励まし合ったりだとか、こいつには負けないとか、走りでは負けたくないというか、どうしてもライバル心というか、闘争心が、多分みんなもあったと思うんですが、そういうものがあり、でも、そういうものがあったからこそ、最後まで負けたくないっていうのがあって、最後まで走り切れたんだと思います。
まさに映画の中のチームの、競い合いながらも助け合ってたすきを繋いで行くというのと重なるような撮影だったんですね。
三浦:そうですね。
ロケ撮影が多かったと思いますが、長崎市と壱岐島に行かれたんですよね。そういう離れた場所で映画漬けというのは大変でしたか?
三浦:いや、大変ではなかったです、ぜんぜん。走るのは大変でしたけど、スケジュール的にも余裕をもってできていたんじゃないでしょうか。
今年の夏ですよね。この前が『恋空』ですか?
三浦:そうです。
では、金髪を抜いて
三浦:金髪を黒に染めて。
髪の色が違うだけでずいぶん顔の感じが変わりますね。それにしても『恋空』ヒットしてますね。今後も『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』も公開になりますし、ここ一年ぐらいずっと撮影していたんじゃないですか?
三浦:おかげさまで2007年は3本映画に出させていただいて充実した楽しい年を過ごしています。
その最後の一本がずっと走らされるキツイ作品だったわけですが、チームメイトを演じた人たちも含めて、みなさん、逞しいというか、ちゃんと陸上選手の身体つきになっていてすごいなと思いました。
三浦:やっぱり最初と比べて、みんな身体つきが変わってきました。僕も自分では気付いてなかったんですが、監督に春馬の脚がランナーっぽくなってきたって、中盤頃から言われはじめました。
撮影終了後は走ってないんですか?
三浦:はい。
ランナーって走る姿が美しいなと普段から思うんですが、三浦さんたち俳優さんもすごくきれいな走りっぷりでしたね。上野樹里さん演じるヒロインの奈緒子との幼い頃からの確執も、走ることで表現されているんですね。そこが素晴らしいと思いましたが、セリフよりも、かすかな仕草や一緒に走ることで表現するのは難しいと思いませんでしたか? たとえば、奈緒子がいきなり給水ポイントに現れるシーンとか。
三浦:あんまり意識していなかったですね。もともと古厩監督は、お芝居を、こうでこうでこうでって決めつける監督じゃなくて、自由にやらせてくれるんです。違うなって思ったとしても、それは違うって言わないんです。こうしてほしいなっていう感じなんです。だから、あのシーンも自分で思ったとおりにやったんですけど、あまり意識はしてないです。

