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難病を患う姉に臓器を提供するドナーとして生まれた子どもと、その家族の物語『私の中のあなた』はいかがでしたか?
映画を観る前に原作を読んでいたんだけど、こんなに泣けるとは想像できなかったわ~。アメリカ公開時に取材に行ったんだけど、アメリカの試写室で外国人の記者が泣いているのを初めて観たわ。
僕は、そんなに素直に泣けない映画だと思うんだけどなあ。子どもを持つ親の立場で見ると、果たしてこの結末で終わってよかったのかなと。倫理観みたいなものが感じられて、考えさせられてしまう。この監督(ニック・カサヴェテス)って『ジョンQ-最後の決断-』でも同じことをやってるんだよね。父と子の泣かせるドラマと見せかけて、アメリカの医療・保険制度という社会問題に落とし込んでいくみたいな。そういう問題提起をドラマに織り込むのがうまい人ではある。
実際に監督の娘さんが心臓病を患っていらっしゃって、その体験が映画に反映されているんでしょうね。でも、わたしは最初に観たときはキャメロン・ディアスが演じている母親像に腹が立ってしょうがなかったんです。娘の命を救うためとはいえ、臓器を提供させるための子どもを産むなんて残酷だと。ただ、もう一度観る機会があって、その時は観方を変えました。今まで自分の努力で人生をコントロールしてきた彼女が、わが子の難病という自分の力ではどうしようもない大きな壁にぶち当たってしまい、過酷な選択をせざるをえなかった。そういう意味では彼女もまた犠牲者なんだと思ったら、ものすごく泣けた。
もし自分が親だったらものすごく考えさせられる映画だと思うし、子どもを救うためならなんでもしたいという母親の気持ちもわかるんだけど、ドナーも自分の子どもなわけで。だからクローンとか、倫理的な問題になっていくわけじゃない? そういうデリケートな問題を扱っておきながら、普通に泣ける映画と受け入れていいものなのかと悩んだなあ……。
そんな方には原作も読んでいただきたいわ。原作は、もっと重いのよー。
わたしは映画を観た後に原作を読んだんですけど、原作よりも映画の方がよかった。というか、原作の結末は映像では観たくない。
原作はデザイナー・ベビーに関する倫理を問う話で、映画の方は難病を患った子どもとその家族の絆の物語。落としどころが違うのよ。でも、原作を読んだ人でも納得できるラストだと思うわ。
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