6月29日(金)公開
てんこ盛りの派手なアクションは、目まぐるしくて見ているこっちが疲れてしまうほど。といっても飽きることなく、最後まで金の力で見せきってしまうところがハリウッドの王道か。原点回帰したブルース・ウィリスも今や52歳とあって多少つらさを感じるが、やはりこれまで演じたどんな役よりもマクレーン刑事がよく似合う。起きる犯罪はサイバーテロと現代的だが、マクレーンは21世紀になってもアナログ人間で、その対比がおもしろい。
離婚し、娘にも愛想をつかされた初老の主人公に『ロッキー・ザ・ファイナル』のスタローンが一瞬ダブルが、ガンを持てば、いきなり超人的な活躍が始まる。やはりB・ウィリスには哀愁は似合わない。爆破の物量作戦によるアクションに新味はないが、サイバー・テロリストたちが映像でホワイトハウスを爆破させ、宣言文を歴代大統領のスピーチでコラージュさせる趣向がおもしろい。シミュラクルな現実が抱える不気味な恐怖感がにじむからだ。
せっかく前作から10年以上経っているのだから、マクレーン親父にはかつてのように老いの愚痴などぼやきまくってもらいたいところなのに、ここでの彼は単にパワフルな傷だらけのヒーローとして悪を懲らしめるのみで、デジタル犯罪とアナログ刑事の対比も上手くいっているとは思えない。1作目を踏襲した設定が目立つのは興味深いが、結局は金をかけないと成立し得ない破壊のアイデアの洪水の陰に埋もれてしまったのは勿体ない限り。
12年前の「ダイ・ハード3」の時点でその兆候はあったけれど、ジョン・マクレーンはまったくためらわず人を殺せるようになってしまったなあ。普通の男どころか、もはやセガール並の殺し屋の域に達しています。マギー・Qを「いい女」と言いつつ完膚なきまでにぶちのめす辺りに、奥さんに逃げられた原因がうかがえますね。敵も味方も監督も年少者で固めているので、ブルース・ウィリスによるオヤジの説教映画の趣きすらあります。
「ハイテク」なサイバーテロリストと「アナログ」な肉体派警部の戦い。愛する国と家族を守るために、体を張って戦うブルース・ウィリスはとにかくかっこいい。そして、息もつかせない豪快なアクションシーンのスピード感には圧倒されっぱなしだ。戦闘機をもやっつけてしまうブルース・ウィリスに、「さすが不死身の男だ!」と納得してしまった。でも、「そんなに街を破壊するなよ!」と突っ込みたくなるのは私だけだろうか?